3歳の息子との食事時間、とにかく落ち着かない毎日でした。
ごはん中なのにおもちゃを取りに行ったり、立ち上がってうろうろしたり……。
「座って食べようね」「歩かないよ」と何度注意しても、まったく聞く耳を持たず。
「このままで本当に大丈夫なのかな」と、焦りと不安ばかりが積もっていきました。そんなある日、幼稚園の参観日で息子の“意外な一面”を目の当たりにし、私の中で何かが変わったのです。
食事中に落ち着かない息子にモヤモヤ
「ごはん中は座って食べようね」
「歩かないよ〜」
3歳の息子との食事時間は、毎回この声かけから始まります。
でも、そんな呼びかけもむなしく、おもちゃを取りに行ったり、テーブルの周りをうろうろしたり……。全然座っていてくれません。
何度言っても同じ。根気強く言い聞かせてはいるものの、正直モヤモヤ。「このままで大丈夫なんだろうか」と、心配ばかりが募っていきました。
参観日で見た“まさか”の姿
そんなある日、幼稚園の参観日がありました。
給食の時間も見学できるというので、内心「どうせ園でも立ち歩いてるんだろうな」と半ばあきらめ気分で覗いてみると……。
そこには、しっかり椅子に座って、ごはんを黙々と食べている息子の姿が。
おまけにおかわりまでしているじゃないですか!
あまりのギャップに、思わず二度見してしまいました。
先生の言葉に救われた
「いつもこんなふうに座って食べてるんですか?」と、思わず先生に聞いてみると
「はい、ちゃんと座って食べてますよ。おかわりもするし、頑張ってます」とにっこり。
「家では全然なんですよ〜」とつぶやくと、先生はこう返してくれました。
「おうちだと、気が緩むんですよ。園で一生懸命やってる分、甘えたりリラックスしたりできる場所があるってことですから」
その言葉に、私の心がスッと軽くなった気がしました。
“外で頑張る姿”を信じてあげようと思えた日
息子は「できない」んじゃなくて、「安心しているからこそ、家では気を抜いている」。
それが分かってからは、少し見方が変わりました。
もちろん最低限のマナーは教えつつも、「ちゃんとできる子なんだ」と信じて、家ではなるべく楽しい雰囲気を大切にするようにしています。
子どもって、家と外でまったく違う顔を見せるもの。
それはきっと、「家は安心できる場所」だという証。
そう思えるようになったのは、あの日の息子の姿と、先生の言葉のおかげでした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容をもとに、個人が特定されないよう構成しています。
ltnライター:北田怜子
経理事務・百貨店販売を経て、現在はWEBライターとして活動中。家事や育児と両立できる働き方を模索する中でライターの道へ。自身の体験を活かしながらリアルで共感を呼ぶ記事を多数執筆。人間関係・子育て・日常の“あるある”を中心に、女性に寄り添ったコンテンツを発信している。