久しぶりの仕事に最初は戸惑いもありましたが、少しずつ慣れてきて、「私もまだやれるかも」と自信を取り戻しつつあったんです。けれど、そんな中で迎えた夏休み。そこで起きた、ある出来事がきっかけで、私は“働く意味”を改めて考えさせられることになりました。これは、そんな私自身の体験談です。
パート復帰で感じた「私もまだやれる!」
子どもが幼稚園に通い始めたのをきっかけに、私は数年ぶりにパートを始めました。
最初は「ブランクがあるし、大丈夫かな……」と不安もありましたが、少しずつ慣れていき、お給料が入るたびに心の余裕も増していって。
「私だってまだ頑張れるじゃん」なんて、少しずつ自信も取り戻していたんです。
夏休み開始で状況が一変
ところが、そんな矢先にやってきた夏休み。
幼稚園がお休みになると、当然子どもを預けられる場所もなくなり、パートもお休みに。
「やっと慣れてきたのに」「夏休み、働けないのがつらい」と、家の中で愚痴が増えてしまいました。
ママ友とのおしゃべりでも「ほんと不便だよね~」と軽い気持ちで話していたのですが……。
まさかのひと言に胸が痛んだ
ある日、4歳の息子が突然ぽろぽろと涙をこぼしながら言ったんです。
「ぼくのせいで、お母さん働けなくなってごめんなさい」
……その瞬間、私は凍りつきました。
ただ愚痴ったつもりだった言葉が、こんなにも子どもの心に響いていたなんて。
私が働くのは、家計のためだけじゃなく、子どもとの時間をもっと豊かにしたかったから。
それなのに、目の前の“仕事”ばかりに気を取られて、大切なものを見失いかけていた自分が、情けなくて仕方ありませんでした。
「今しかない時間」を見つめ直して
それから私は、夏休みに働けないことを悩むのをやめました。
「今しかないこの時間を、もっと大切にしよう」そう思い直したんです。
子どもが成長するにつれて、一緒に過ごせる時間はどんどん減っていく。
だったら、今この瞬間を、目一杯楽しもう。そう決めました。
子育てに正解なんてないけれど、
「誰のために働くのか」その原点を忘れなければ、また立ち戻れる場所があるんだと気づかされた出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容をもとに、個人が特定されないよう構成しています。
ltnライター:北田怜子
経理事務・百貨店販売を経て、現在はWEBライターとして活動中。家事や育児と両立できる働き方を模索する中でライターの道へ。自身の体験を活かしながらリアルで共感を呼ぶ記事を多数執筆。人間関係・子育て・日常の“あるある”を中心に、女性に寄り添ったコンテンツを発信している。