今回は、筆者の友人から聞いた、就活で思わぬ失敗をしたというエピソードをご紹介します。
早々に就活が終わった
大学4年の春、私はとりあえず、何となくの気持ちで適当に受けた1社目でわりとあっさり営業職の内定をもらいました。
その会社や営業職のことはよく分かっていなかったものの、とにかく早く就活を終わらせたくてすぐに受かりそうな点だけを見ていたのです。
周りが就活に励むなか「早く決まってよかった~あとは遊ぶだけ♪」と浮かれていた私。
そんな私に両親、特に母親は「他の会社も受けて、自分に本当に合う仕事が何かきちんと探してみたら?」とアドバイスしてくれていたのですが……。
親の助言には耳を傾けず
当時の私は【内定=就活終了】と捉えていたこともあり、親の言葉を完全スルー。
「営業という仕事にもすぐ慣れるだろうし、何より高収入だから安心でしょう」
と思っていたのです。
浅はかな考えですが、当時は残り少ない大学生活を楽しみたい一心でした……。
仕事が合わない
ところが入社後、ノルマと数字に追われる日々。
電話越しに怒鳴られ、会議では詰められ、心も体もすり減っていきました……。
もちろん、あくまで私が入社した会社の業務内容が自身の適性とは異なるものであっただけで、営業職自体がこんなに過酷である、というわけではありません。
でも、1社から内定をもらってすぐに就活を終えていた私は、他の会社の営業職も同じように働いていると勘違いしてしまい、なかなか辛さを吐露できずにいました。
気づけば毎朝、会社に向かうだけで涙が出るように。
限界を感じ、2年で退職。泣きながら退職したことを伝えた私を両親は一切怒らず、そっと見守ってくれました。
急がば回れ
再就職先は、職種よりも自分に合うかを重視して慎重に選んだ私。
給料は下がったけれど、今はやりがいを持って働けています。
あのとき母が言ってくれた「仕事はお金や楽さで決めてはダメよ」という言葉。
今になって、その意味がようやく分かりました。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。