出会いの瞬間に放たれたマウント発言
「え? 今も専業主婦なの? 気楽〜!」
子どもが幼稚園のときに知り合ったママ友Aさん。入学式の日、久しぶりに会った彼女のひと言が、私には“先制パンチ”のように感じられました。
子どもが小学校に入学するタイミングで、外に働きに出るママは多いことは知っていました。
でも私は、子どもとの時間を優先したくて、妊娠・出産を機に会社を辞めて専業主婦に。
在宅で少しずつ仕事を始めてはいたけれど、収入は微々たるもの。胸を張って「仕事してます」とは言えない状況でした。
繰り返されるチクリとした嫌味。でも私は……
Aさんはことあるごとに、
「専業主婦って昼間何してるの?」
「こっちは昼から晩まで忙しくってさ」
「ごめんね、LINE見れるの仕事終わりでさ」
と、チクチク嫌味を言ってきました。
私は、右から左に受け流し、学校のボランティアやPTAに積極的に関わって、在宅で仕事もして、自分なりに充実した日々を送っていました。
5年越しの再会で、ついに言えた
そして子どもが5年生になったとき、学校のバザーでAさんと関わることに。
すると開口一番、「相変わらず働いてないの?」「まだ家にいるの?」と聞かれました。
あいかわらずの上から目線。だけど、そのときの私は5年前とは違っていました。
「今は個人事業主として在宅で仕事してるよ」
そう言うと、Aさんは「こ、個人事業主?」と目を丸くしていました。
「へぇ、よくわからないけど」と話はそれで終わりました。でも、Aさんの嫌味やマウントは嘘のようになくなったのです。
自分の選んだ道に誇りを持てた今
在宅ワークを続けてきた私は、今では自分の名前で仕事を請け負い、安定した収入も得られるようになっていました。
外に出てはいないけど、毎日真剣に働いている。時間の自由を武器に、子どもの成長も仕事も、どちらもあきらめない道を選んだ結果です。
5年前は言い返す意気地もなく、モヤモヤを抱えたまま言われっぱなしでやり過ごしていました。
でも今は違う。私は自分の働き方に誇りを持っているし、何より自分で選んだ道に自信があります。
誰かと同じ働き方じゃなくていい。自分が納得できる生き方なら、それが1番だと今なら言えるのです。
【体験者:40代・個人事業主、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。