7位からの逆襲へ
昨年の校内マラソン大会で、小学3年生の息子は7位でした。
ゴール後、悔しそうに唇をかんでいた息子は、その悔しさをバネに「どうしてそんなに足が速いの?」と1位の子に聞いたそう。
すると、その子は「マラソンクラブに入ってる」と教えてくれたのです。
努力を重ねた1年間
それを聞いた息子は、「おれも入りたい!」と即決!
マラソンクラブに入ってからは、週に何度も夕方になると走りに行くように。
最初はすぐに息が上がっていたけれど、少しずつ距離が伸び、走るフォームも力強くなっていきました。
「今年のマラソン大会はいける気がする!」と、4年生になった息子は意気込んでいました。
運動会や持久走の練習など、学校行事のたびに「もっとできるようになりたい」と目標を立てて取り組む姿に、親としても頼もしく思っていたのですが……。
先生の口から告げられた“まさかの事実”
ある日、配られた行事予定表に「マラソン大会」の文字がありません。「おかしいな?」と思った息子は先生に聞きました。
すると、「今年からマラソン大会はなくなったんだよ」と言われたのです。
理由を聞いて、息子はびっくりして固まってしまいました。
「1キロも走らせて、体調が悪くなったらどうするんだという保護者からの意見があってね……」と先生が申し訳なさそうに話してくれたというのです。
息子の悔しさ
家に帰ってきた息子は、悔しそうに私に言いました。
「頑張ってきたのが、無駄だったみたいじゃん。マラソン大会、楽しみにしてたのに」
たしかに、学校側も安全を考えての判断だったのかもしれません。でも、苦情が出たからといってすぐに行事を取りやめてしまうやり方は、努力を重ねていた子にとってはあまりに残酷。
参加の方法や距離の調整など、工夫できる余地はあったのではないかと思ってしまうのでした。
親子で見つけた新たな目標
肩を落とす息子に、私は「せっかく頑張ったんだから、他の大会に出ようか」と提案。
息子は考える間もなく、「やる!」と即答しました。
納得できないことがあったときに、それをどう乗り越えるか。その経験もまた、親子にとって大事な学びになった出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。