娘が幼稚園に通うようになりました。
人見知りで泣き虫な子という印象が強く、Aはいつまでもそのイメージのままで娘を見ていたのですが──。
引っ込み思案な娘が心配で
Aは転勤族の夫と、娘と息子の4人暮らし。
娘は小さい頃から人見知りが激しく、Aの姿が見えないとすぐ泣いてしまう子でした。
活発というより、おとなしく、ひとりで遊ぶことの多いタイプ。
幼稚園に入ってからも、毎日「今日は大丈夫だったかな」と気がかりで仕方がありませんでした。
家では、楽しそうに園での出来事を話してくれることもありましたが、Aの中の娘のイメージはずっと「引っ込み思案で泣き虫な子」のままだったのです。
実際、大人の男性が苦手で、なかなか慣れない一面もあったので、心配ばかりしていました。
先生の言葉に驚いた日
そんな娘も年中さんになり、担任の先生が変わりました。
家庭訪問の日、思いきってAは聞いてみたのです。
「うちの子、おとなしくて引っ込み思案なんですけど、大丈夫でしょうか?」
先生は一瞬きょとんとしたような顔をして、数秒沈黙したあと、こう答えてくれました。
「え? Nちゃんですよね? しっかりしていますよ。お手伝いもしてくれるし、お友達にも積極的に声をかけてくれて、すごく助かっているんです」
思わず「本当にうちの子ですか?」と聞き返しそうになりました。
どうやら先生のお手伝いを進んでしていたり、いたずらっ子に声をかけたりする姿もあるそうなのです。
思い込みに気づいた瞬間
そういえば、弟が生まれてからは家でも少しお姉さんらしい一面が見えるようになっていた気がします。
けれど、外では相変わらず引っ込み思案なはず、という思い込みが、私の中に強く残っていたのかもしれません。
先生の話を聞きながら「私だけが昔のイメージのままでいたんだな」と反省しました。
娘は、私の知らないところで、ちゃんと成長していたのです。
今の姿をちゃんと見ていこう
後日、同じ社宅に住む同級生のママ友にも「Nちゃんってしっかりしてるよね」と言われ、あらためてその事実を実感しました。
子どもって、親が思っているよりもずっと早く成長しているのかもしれません。
これからは、過去のイメージにとらわれず「今の娘の姿」をちゃんと見て、しっかり受け止めていこう──そう思わせてくれた出来事でした。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。