近所では「親御さんの姿をあまり見かけない」と噂されるSくん。
そんな彼が、お祭りを巡った「目的」とは!?
筆者の友人T子が実際に体験したご近所エピソードをご紹介します。
地域で見守られているSくん
近所に、いつも放課後になると1人で自転車に乗ってフラフラしていることが多い、小学2年生の男の子、Sくんがいます。
親御さんを見かけたことがないため、「少し心配な状況なのかな」とひそかに言われており、周囲もSくんのことをそれとなく見守っていました。
そんなある日、地域で夏祭りが行われました。
地元の人で賑わうなか、この日も1人で自転車で現れたSくん。
「町内会ごとのかき氷の味を全制覇する」と高らかに宣言
Sくんは金魚すくいにもヨーヨー釣りにも目もくれず、
「町内会ごとのかき氷の味を全制覇する!」
と周りにいる大人たちに、高らかに宣言。
自転車に乗って、全町内のかき氷会場を勢いよく周り始めました。
毎年、町内会ごとにシロップの味が異なり、今年はそれぞれの町内でいちご、ブルーハワイ、レモン、ミルク金時、梅シロップと全部で5つのシロップが展開されていました。
Sくんはどうやら「すべての味を食べてみたい」と思った模様。
かき氷を全制覇したSくんに、異変が!?
Sくんはあっという間に、町内のかき氷会場5つを全て制覇。付き添いの大人はいません。
それぞれ町内会に所属する子供はかき氷が無料なのですが、Sくんは自分の町内会以外のかき氷も
「ちょうだい!」
と元気に頼み、全部無料でゲット。
さらにSくんのかき氷をたくさん食べ続け、
「食べ過ぎた」
「気持ち悪い、動けない」
と町内会のテントで休む事態に。
さすがに町内会役員が、Sくんの親に連絡を取ろうとしましたが、とうとう最後まで連絡が取れずじまいでした。
翌年からの夏祭りに「追加の注意事項」!?
「子供だし、せっかくのお祭りだから」
とカキ氷をすべて無料で食べに行ったことについては、大目に見る雰囲気はあったものの、
「来年も同じことをされたら」
「他の子も真似をし始めたら」
と大人たちは今後のことを考えました。
結果、翌年からは夏祭りに「注意事項」が追加されることに。
「かき氷の配布は、各町内のお子さまを優先」
「1人1杯まで」
「体調にはご留意を」
お祭りは楽しいものだから、子供はワクワクして当然。
しかし、誰もが気持ちよく楽しむためには、安全や公平性を保つための工夫も必要です。
自分も子供を持つ親として、
「地域の行事は楽しみつつも、子供たちが安全に、そしてみんなで楽しく過ごせるよう、親として目を配り、必要なルールを伝えなくては」
と改めて考えさせられた出来事でした。
【体験者:30代・主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。