終始和やかな雰囲気で食事が進むと、
「彼くん、A子のどこを好きになったの?」
と、実母のドストレートな発言にビックリ!
思わず慌てるA子さんでしたが、彼は嬉しそうにこう言いました。
「A子さんは、とにかく凛としているんです」
姿勢の良さから礼儀正しさ、マナーが素晴らしく空気が読めて頭の回転が速くて、と、聞いているこちらが赤面してしまうほど褒められてしまったのです。
そしてそんな彼のセリフで、A子さんはハッと気づいたことがありました。それは……
本当にごめんなさい、そしてありがとう。
そんな風に色々教え込んでくれたのは、紛れもなく両親だったということ。
嫌なこともたくさんあったけど、間違いなく両親が今の自分を作ってくれていたのです。
それなのに、自分はそんな両親のことを「毒親だ」と笑いながら言いふらしてしまったことを、酷く恥じたのでした。
もしかしたら、過去の自分は、親に厳しく育てられた過去を否定することで、自分を正当化しようとしていたのかもしれない。
今A子さんは、2児の母として育児に奮闘中。
両親ほど厳しく育ててはいませんが、親になって初めて親の気持ちを知ることばかりです。
遅くなったけど、これから沢山親孝行したいと思っているそうです。
【体験者:30代・OL、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。