ママ友のランチ会
Hさんは小学生男子のママ。
子どもが同じ小学校に通うママ友数人と、昼に待ち合わせてよくランチに出かけていました。
ランチに行く時はいつもお手頃価格で長居できるお店を選ぶため、大抵決まったお店で集まっています。
そしてお会計の際はいつもひとりのママ友がまとめて支払い、後でひとりひとり代金を渡すのがお決まりでした。
「じゃあひとり〇〇円ね!」
そのママ友はスマホの電卓機能でサクッと割り勘をしてお金を集めてくれるので、Hさんは「いつもテキパキしていてありがたいな」と思っていました。
ママ友がレジで出したものとは
そんなある日、いつものようにランチとおしゃべりが終わったあとのこと。
他のママ友たちが先に店を出て、トイレに行っていたHさんも続いて店を出ようとすると、レジが混んでいるのかまだママ友がお会計中でした。
一緒に店を出ようとHさんが何の気なしに近づくと、ママ友が「これでお願いします」と1枚の紙きれを店員さんに渡しているのが見えました。
「ありがとうございます、クーポンで20%オフになるので、〇〇円のお会計でございます」
店員さんの声に、ん? と思ったHさん。
「こちら、次回お使いいただける20%オフクーポンです!」
どうやらそのクーポン券は毎回貰えるようで、ママ友はレジの際にクーポン券を受け取り、その次のランチでそれを使用していたようでした。
しかしそのママ友が割り勘で計算するのは割引前の金額です。
「ということは20%分、毎回お財布に入ってるってこと?」
ママ友はクーポン券を貰っていることを誰にも言っていなかったので、なんとなくHさんは見てはいけないものを見てしまった気になってしまいました。
それでもいつも会計をまとめてくれているのは確かですし、それはありがたかったので、Hさんはクーポン券のことは黙っておくことにしました。
しかし他のママ友が家族でそのお店に行ったことで、毎回貰えるクーポン券のことがバレてしまい、まとめて支払っていたママ友はランチに誘われなくなったそうです。
クーポン券を使っていることをずっと黙っているのは良くなかったですね。お会計を持ち回りにしたり、個別にしても良かったのではないでしょうか。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。