職業に貴賎なしという言葉もあるように、職業によって人を格付けするのは社会の平等性を保つのにあってはならない行為です。しかし未だに職業で人の価値を測る人がいるのも確かです。今回は親に言われたある言葉から、職業で人の価値は決まらないと感じた経験のある筆者の知人、Oさんのお話です。
高学歴な両親
当時Oさんは大学生。しかもかなり偏差値の高い有名大学に通っていました。
Oさんの両親は高学歴で、両親共に大企業でバリバリ働いているという、いわゆるハイスペックな家族。
そのため家庭は裕福なほうでしたが、Oさんは「自分で働いたお金で夏休みに友達と旅行に行く」と決めてアルバイトを探していました。
「どんなバイトがいいかな……」
初めてのアルバイトなのでどのような仕事を選んだら良いかわからず、Oさんはアルバイト情報誌を見ながら悩んでいました。
100円均一で
まだアルバイトを決めかねて悩んでいたある日、Oさんは母親と100円均一の店に買い物に出かけました。
「あ、Oちゃん!」
店内をうろうろしていると、たまたまその店でアルバイトをしている高校の時の同級生にばったり。
「ここでバイトしてたんだ? 私もバイト探してるんだよね」
「そうなの? まだ見つかってないならこの店においでよ。忙しいけど時給いいよ」
同級生の言葉に心を動かされたOさんは、会計で並んでいる際に「ここで働こうかな」と母親に言いました。