騒音の悩みと募るストレス
新しく引っ越したマンション。清潔で住み心地もよく、最初は期待でいっぱいでした。
しかし、隣の部屋から夜遅くまで子どもの走り回る音や大声が響き、次第にストレスを感じるように。
もちろん、私たちも子育て世帯なので、その大変さは理解しているつもりでしたし、多少の生活音はお互い様。
それでも連日続く騒音に、睡眠不足が重なり、体調まで崩しかけてしまいました。
勇気を出して、話し合いを
我慢の限界を感じ、夫と相談した結果、勇気を出して隣人に直接お話することに。
初めての訪問に緊張しましたが、隣人は「すみません」と頭を下げてくれました。
ですが、その後も状況に大きな変化はなく、モヤモヤが残る毎日。
管理会社に相談しても「個人間の問題」とあしらわれ、八方ふさがりのように感じました。
冷静な対話が動かした心
そんなとき、夫がもう一度隣人の部屋を訪ねてくれました。
今回は、感情を抑えつつ、こちらの困っている現状や、どれだけ配慮を望んでいるかを丁寧に伝えてくれたのです。
夫はまず「夜分遅くに申し訳ありません、実は、夜中の物音が響くことが多くて、妻も私も少し睡眠不足になってしまって……」と、困っている事実を冷静に伝えました。
そして「お子さんがいらっしゃるご家庭なので、お部屋で元気いっぱいに過ごされるのはよく分かります。私たちも子どもがいるので、その大変さは理解しているつもりです」と、相手への理解と配慮を示しました。
続けて、「ただ、夜の10時以降だけでも、少しだけ静かに過ごしていただけると、本当に助かります」と、具体的な時間帯を挙げて、穏やかに協力を求めたのです。
相手を責めることなく、誠実に対話する姿を見て、私は胸がいっぱいになりました。
少しずつ、歩み寄る変化
すると、少しずつですが、隣からの音が和らいでいくのを感じました。
子どもがいるご家庭にとっては、周囲への配慮と子育ての両立は本当に難しいこと。
それでも、こちらの思いを尊重してくれたことが、何よりありがたく思えました。
私たちもまた、自分たちの音や言動に気をつけるようになりました。
対話がもたらす安心感
今回の経験を通して、我慢や放置ではなく、冷静に伝えることの大切さを学びました。
そして、夫の姿勢に大きな安心感を覚え、「一緒に乗り越えていける」ことを実感しました。
マンションのような集合住宅では、誰もが“誰かの隣人”。
子育て家庭もそうでない家庭も、お互いを思いやる心が、心地よい暮らしをつくる鍵になると感じています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。