パートナーの些細な変化に、胸がざわついた経験はありませんか? 「信じたい」という気持ちとともに、徐々に膨らむ疑い……。今回は、2つの感情に挟まれて苦しい思いをした経験を、筆者の友人が聞かせてくれました。

夫の変化と、黒い疑惑

結婚して5年。
子宝にも恵まれ、娘も4歳となり、幸せな家庭を築いていると信じていました。

しかし、数ヶ月前から夫の様子が変わってきました。
急に増えた残業や休日出勤。
今までは無頓着だったのにスマホにロックがかかり、知らない香水の匂いがふわりと……。

まさかとは思いつつも、不倫を疑わずにはいられませんでした。

あるとき、夫から「社員旅行」のために泊まりで出掛けると告げられました。

ですが、夫がシャワー中にこのような通知が夫のスマホに入ってきたのを目撃したのです。

「●●ホテルのご予約日が近づいてきました」

そこに表示されたのは、夫から聞いたホテル名とは違う海辺のリゾートホテルの名前。
もしやという疑いの気持ちが、ほぼ確信に変わった瞬間でした。

最強の味方は、まさかの義母でした

夫の裏切りを突き止めるチャンス。
娘は実母に預けたものの、1人で向かう勇気は出ず……
震える手で電話をかけた相手は、義母でした。

義母とは普段から本当の親子のように仲が良く、何でも話せる関係です。

事情を話すと、義母は驚くほど冷静に「やっぱりね。最近、様子がおかしいと思ってたのよ」と一言。

「うちの愚息が本当にごめんなさい。2人で証拠を押さえましょう!」
その頼もしい言葉で、私と義母の奇妙な秘密作戦が始まりました。

地獄のサプライズ突撃

私と義母は同じホテルに乗り込み、部屋を確保。
夕食の時間を見計らってレストランへ向かいました。

そこには、浴衣姿で談笑する夫と若い女性の姿が。
その親密な様子に、全身の血が逆流するような怒りを覚えました。

やがて、指を絡ませながら食事会場をあとにし、部屋に向かう2人。
私と義母はそこへ突撃!

夫は妻と、その隣に立つ自分の母親の姿を認め、一瞬で顔面蒼白に。

「……どうして、ここに」言葉を失う夫の前で、義母が毅然と言い放ちました。

「これは社員旅行じゃないわよね? あなた、どちら様? 私はこの男の母で、この人は妻ですけど!」

仮面夫婦の再出発と、静かな復讐

不倫相手は、夫が既婚者と知ったうえで関係を続けていた会社の後輩でした。

私は彼女に慰謝料を請求。
この一件は彼女の実家にも伝わり、会社にも居づらくなった彼女は退職したそうです。

義母の力強い後押しもあり、私は離婚を選ばず、夫に“経済的に有利な条件”をすべて飲ませて再出発しました。

でも、あの夜、夫が他の女性に向けた優しい表情を見た瞬間、夫婦としての関係は私の中で完全に終わったのです。

今はただ、娘が手を離れる日を待つだけ。
その時が来たら、夫からは搾り取れるだけ搾り取って、きれいさっぱり離婚するつもりです。

そうとも知らず、夫は今日も必死に私のご機嫌を取っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。