新婚ホヤホヤなのに……
Sさんは当時、結婚して1年のまだ新婚さん。
隣の県に住む義母との関係も良好で、まるで娘のように可愛がってくれています。
しかし結婚当初から用事があって義母に電話をするたびに、「良いお知らせは?」と孫の催促をされることだけが悩みでした。
Sさんと旦那さんは2人で話し合い、結婚してしばらくは2人だけの生活を楽しみ、それから子どものことを考えようと決めていたのです。
「母さんに言うと、早く子ども作れって言われるから黙っていよう」と旦那さんが言うので、Sさんは義母に子どもの話をするのは避けていました。
そんなことはつゆ知らず、結婚して1年経つと義母は週に1回「良いお知らせを聞きたくて。まだかしら?」と電話をかけてくるようになったのでした。
急に電話がこなくなった理由
「すみません、まだ……」
Sさんは電話がくるたびにモヤモヤした気持ちになり、旦那さんに打ち明けられずに堪えていました。
しかしある時から、義母からの電話がぴたりとかかってこなくなったのです。
「どうしたのかな、体調でも崩したとか?」
気になって旦那さんに義母から何か連絡はなかったかを聞いても、旦那さんは「何も聞いてないよ、元気なんじゃない?」と言うばかり。
ある日ちょうど用事があったのと、義母の様子が気になってSさんから電話をすることに。
「ああSさん、お久しぶりね」
電話の向こうの義母は少し元気のない声。
「最近お電話くださらないからどうしたのかと思って」
Sさんがそう尋ねると、義母は意外な真相を口にしました。
「実は近所の人に、孫の催促の電話をかけちゃうって言ったら、それは一番ダメなことだからお嫁さんに嫌われるよって叱られたのよ」
義母はしょんぼりした声で言いました。
Sさんはご近所さんが義母を叱ってくれたことを少し感謝しつつ、実は妊娠しており、安定期に入ったことを告げました。
義母は本当に喜んでくれて、それからは体調を気遣う電話がよくかかってくるようになったそうです。
孫の催促は嫁姑問題の火種になりやすいので、子どものことは夫婦に任せて欲しいものですね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。