昔ながらの体質が根強く残る業界では、理不尽な場面や、ため息をつきたくなるような出来事も少なくありません。しかし、あるときを境に空気がふっと変わる瞬間も、確かにあるようです。今回は筆者の友人が目撃したエピソードをご紹介します。
部長の口から出た“意外な言葉”
その後、幸いにも大事には至らず、部長は数日で職場に復帰。
職場に戻ってきた部長は、あのとき駆け寄った女性スタッフと私に菓子折りを手渡し、こう言いました。
「……あんたたち、ちゃんと見てるんだな。俺の方が見えてなかったかもしれん。ありがとうな」
あの一件で、部長は「女性=戦力外」と決めつけていたことを反省したようでした。
変化は静かに始まっている
それからというもの、N田部長の態度は少しずつ変わっていきました。
もちろん、急に物分かりの良い上司になったわけではありません。
でも、私たち女性スタッフを頭ごなしに否定するようなトゲのある言葉はなくなりました。
むしろ、現場の細かなことについて「お前たちの方がよく気づくだろう」と意見を求めてくることさえあります。
まだまだ古い体質が残る現場ですが、徐々に人の意識は変わっていく。そんな“変化の兆し”を感じた出来事でした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。