部活
私はシングルで中学生の息子を育てています。
息子は中学入学と同時に、卓球部へ所属しました。
息子が入部した卓球部は、県大会常連の強豪チーム!
試合会場への送迎・用具の購入・大会の祝勝会など、かなりの費用がかかることがわかりました。
周囲は比較的裕福な家庭が多く、ラケットやシューズなども頻繁に購入していて、私は息子に我慢を強いているのはわかっていましたが、ない袖は振れないと悩んでいたのです。
暴言
夏休みのこと、息子の部活は大きな大会に出場することが決まりました。
しかし、試合の開催会場は県外。
平日2日間にわたっての送迎と応援が必要になったのです。
私はどうしても平日に休みがとることができないため、事情を顧問の先生に話し、息子だけ参加させてもらうことにしました。
当日、集合場所まで送っていくと、1つ上の学年の保護者・Aさんが話しかけてきました。
「どうして応援に行けないの? 仕事くらい休めるでしょ?」
私は事情を説明をしたのですが、Aさんは納得せず、私を睨みつけながらこう言ったのです。
「応援にも行けないなら部活辞めれば?」
頭角
息子の送迎を先生や他の保護者の方にお願いするのは申し訳ないと思っていましたし、できることなら自分も送迎と応援に行きたいのですが、どうしても仕事の都合がつかなかったのです。
Aさんにどう理解してもらおうか考えていたところ、見かねた顧問の先生が仲裁してくれました。
ですが、その後もAさんには目の敵にされるようになってしまいました。
2年生になると、今までの地道な努力が功を奏したのか、息子はメキメキと頭角を現し始めました。
市内の大会では常に上位、シード権を獲得し、県大会にも当たり前に出場できるようになったのです。
これが面白くなかったのはAさんでした。
疎外
Aさんは会うたびに聞こえるような嫌味を言い続けていましたが、保護者間でも私に対する態度を見て、Aさんと距離をとる人が増え、Aさんは引退まで疎まれる存在になってしまいました。
Aさんとは最後まで分かり合うことはできませんでしたが、もう少し穏やかなコミュニケーションがとれれば、こんな事態にはならなかったんじゃないかと思っています。
【体験者:30代女性・会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。