田舎町で育ち、都会に憧れて飛び出した筆者の知人A子。でもある日、帰省した実家での出来事をきっかけに、大切なことに気づかされたと言います。
それは一体、どんな出来事だったのでしょうか。
それは一体、どんな出来事だったのでしょうか。
戸惑いながら友人たちと帰省
そんなある日、友人たちが「A子の実家にも行ってみたい」と言い出しました。
まさかそんな話になるとは思わず、私は戸惑いました。でも話はどんどん進み、結局みんなで長期休みに帰省することに──。
実家に着くと、母が畑で採れた野菜をふんだんに使った料理をたくさん用意してくれていました。
素朴で、懐かしい料理。でも私は、なんだか恥ずかしくなってしまったのです。
「もっと都会っぽいおしゃれな料理を出してほしかったのに」
そう言いかけた、そのときでした。
本当に恥ずかしかったのは自分だった
「え、これめちゃくちゃ美味しい!」
「野菜が甘い! すごい!」
目を輝かせて料理を頬張り、素直に喜んでくれる友人たち。それはお世辞などではなく、本当に嬉しそうな顔でした。
胸がチクリと痛みました。
「母は最初からわかっていたんだ」
都会の人こそ、こういう素朴な料理に感動することを。
恥ずかしかったのは、母の料理ではなく、それを誇れなかった自分自身だったのです。
遠くに行ったからこそ気づけた地元の良さ。今では自分の育った町を好きだと思えるようになりました。
【体験者:20代・女性、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。