でもそんなハプニングがまさかの発想で素敵な思い出に変わることも……。
今回は筆者の知人から聞いた、旅行に関するほっこりエピソードをご紹介します。
結婚記念日旅行
数年前の7月、結婚10周年を迎える私たち夫婦は、少し贅沢に1泊2日の温泉旅行を計画していました。
小学2年生の娘を両親に預けられることになり、久しぶりに2人だけの時間。
幸い娘も祖父母が大好きなので「2人で楽しんできてね♪」と1人でのお泊りは何も問題なさそうでした。
ホッとしながら前日は数ヶ月前から予約していた旅館に思いをはせ、わくわくしながら荷造りをしていたのですが……。
まさかの悪天候!
当日の朝は、梅雨も明けたというのに大荒れの天気に!
移動手段として予定していた新幹線の運休までも発表されたのです。
記録的な大雨の影響で、移動は完全に不可能に。
その結果、楽しみにしていたプランは全て白紙になり、旅館もキャンセルするしかなく、夫婦でしばらく途方に暮れてしまいました。
さすがにあのときの絶望感は今でも思い出せるほどです……。
発想の転換
でも、ふと思い立った様子の夫が、
「じゃあ旅館ごっこはどう?」
と私は思いもよらなかった素敵な提案をポツリ。
そこから急遽【おうち旅館】の計画を立ててくれたのです。
浴衣を着て、スーパーで買った刺身で手巻き寿司パーティーをすることに。
さらに照明を落としてキャンドルを灯し、娘の育児もありしばらく控えていた冷酒で乾杯!
旅館や元々予定していた旅先の旅行本を眺めながら、妄想旅行に笑いが止まらなくなるほど楽しい時間を過ごせました。
素敵な思い出
「どこへ行くかより、誰とどう過ごすかが大切だなって改めて感じたよ」
そう言って笑った夫の顔を、私はきっと忘れません。
最悪の始まりだった記念日が、思い出に残る最高の記念日へと変わった出来事でした。
あのときの興奮が忘れられず、今度は娘も一緒に3人でおうち旅館ごっこをするのが今の楽しみです。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。