誰かの心無い言葉に、ふと自信をなくしてしまう瞬間ってありますよね。でも、自分の「好き」という気持ちを大切にしてみたら、思いがけず素敵な結果が待っていることもあるのです! 今回は、筆者の友人のエピソードをご紹介します。
思い出の浴衣
毎年7月に開催される地域の夏祭り。
我が家は家族で出かけるのが恒例です。
子どもが小さいうちは、動きやすさ重視の洋服で行っていたのですが、今年は娘も小学生。
「久しぶりに浴衣を着ようかな」と思い立った私は、大切にしまっていた一着の浴衣を取り出しました。
亡くなった祖母が私のために誂えてくれた、美しい藍染めの浴衣です。
派手な柄ではないけれど、深い藍色と凛とした佇まいが、私は大好きでした。
姑からの心ない一言
ところが、夏祭り当日、浴衣に着替えてリビングに行くと、姑が私を見るなり顔をしかめ「そんな地味な格好で行くの? なんだかパッとしなくてダサいわねぇ」と言ってきたのです。
その一言で、私の高揚感は一気にしぼみ、つい俯いてしまいました。
姑は元々、派手なものが大好きで、シンプルなデザインには否定的なタイプ。
だから私の藍染めの浴衣が、地味に思えたのでしょう。
でも、これは祖母との思い出が詰まった、私にとって世界一の浴衣なのに……。
それでも、夫が「母さんの言うことは気にしなくていいよ。すごく似合ってるし堂々としてればいいんだ」と背中を押してくれ、何とか気を取り直して家を出ました。