恋人やパートナーの家族には、なるべく良い印象を持ってもらいたいですよね。だからこそ、つい無理をしたり背伸びをしてしまう人もいるのではないでしょうか。今回は筆者の友人が義母とのエピソードを聞かせてくれました。

義母からの誘い

昨年、長年お付き合いしていた彼と授かり婚をして、新しい生活をスタートさせた私。
妊娠5ヶ月で、まだつわりが辛く、動くのも大変だったころのことです。
義母から「赤ちゃんの服や必要なものを一緒に見に行きましょう」と誘われました。

夫は「体調が心配だし、俺も行こうか?」と声をかけてくれましたが、いつもどこかよそよそしい義母との距離を縮められるチャンスだと考え、「大丈夫だよ、行ってくるね」と笑顔で出掛けました。

予想外すぎる“寄り道”

当日は、義母が車で迎えに来てくれました。
行き先を尋ねると「ちょっと寄り道するわね」と一言。

一体どこに行くのだろう、と少し不安になりながら助手席に座っていると、車はどんどん街中を離れ、見慣れない田園風景の中を進んでいきました。

そして、到着したのは……なんと、お墓!

炎天下のお墓参り

「結婚より先に子どもができてしまったこと、ご先祖様にきちんと謝ってね」
義母に言われ、私は絶句しました。

暑い中かがんで立ち上がり、目が回るほどでした。
季節は初夏。日差しは強く、汗が背中を伝います。
つわりで吐き気もしてきて、本当に辛かったです……。

義母との関係より、大切なこと

どうしても耐えきれず、義母に気づかれないよう、こっそりと夫に連絡して助けを求めました。

車を飛ばして迎えに来てくれた夫は、義母の顔を見るなり「何してるんだよ!」と激怒。

「妊娠中で体調も悪いのに、暑い中墓参りさせるなんて非常識すぎる」と声を荒らげて、私をしっかり支えるように抱きかかえ、急いで車に乗せてくれました。

あの日以来、義母との距離はますます遠くなってしまいました。
でも、不思議と後悔はしていません。
あの出来事があったからこそ、夫との信頼と絆を、あらためて強く感じられたからです。

何よりも大切なのは一番近くで支えてくれる人の存在なのだと、心から感謝しました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。