「求められたら、できることは頑張らなきゃ」と必死だった筆者。ふと疲れを感じたある日、夫から言われた「目立ちたがり」の一言。それから徐々に意識が変わっていったエピソードをご紹介します。

頑張りすぎるクセ

私は地元から離れた場所で子育て中です。

知り合いを増やしたい気持ちで地域活動に精を出したり、姑が亡くなった後の義実家での手伝いを率先してやったりと「役に立つ自分」であろうとして、つい頑張りすぎてしまうクセがあります。それによって、ついキャパオーバーしてしまい、体調を崩すこともしばしば。

夫が呆れたように……

ある日ふと、キッチンで夕飯の支度前に「なんか疲れたなぁ」と吐露していると、近くにいた夫から「できないことまで背負いこもうとするからだよ。目立ちたがりなんだから」と呆れたように言われてショックを受けました。

「感謝されないと怒るでしょ」

私は「良かれと思ってやっていることであって、目立ちたいわけではない」と反論したものの、夫からは「でも、感謝されないと怒るでしょ」と指摘されてしまいます。

確かに夫の実家では、姑が亡くなってからというもの台所仕事を手伝うことがあり、それに対して当たり前のような態度の舅や夫に腹を立てたことがあるのも事実でした。

感謝されないと腹を立てているのはその通りだと思いましたが、なぜ頑張ってるのにそこまで言われなきゃいけないのかと、バカバカしく、やるせない気持ちになりました。
このとき、夫婦の溝は埋まらないと感じました。

自分に優しくなかったことに気づき

しかしあるとき、「無理や我慢を続けているとイライラしている」自分にハッと気づきました。

「良かれと思って」という自己犠牲の精神で何かをするのを少しずつやめていくようにしてみました。数年がかりで「極力、自分がやりたいと思ったことだけやる」を心掛けていると、次第に舅から「ありがとうね」と言われたり、夫からも「優しいよね」と言われるようになっていたのです。
夫から呆れたように「感謝されたい、目立ちたがり」と言われたことを懐かしく感じるほど信じられない気持ちでした。

そして気づいたのです。
誰よりも自分に優しくしないでいるから、人にも優しくなれないでいたことに。
まずは自分の心に正直でいることが、周りへの優しさなのだと痛感しました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。