保育園の延長線で考えていた
息子が小学生になったばかりの頃、私はどこかで「まだ1年生だし、保育園のときと大差ないだろう」と思っていました。
特に連絡帳に関しては、毎日何かしら先生が成長の様子や出来事を書いてくれて、それに親がサインをして返す……そんなやりとりが続くものだと、すっかり思い込んでいたのです。
だから、連絡帳に何も書かれていない日は「今日も特に問題なく過ごせたのね」と安心し、逆に何か書いてある日も「ま、よくある子どもの小競り合い程度でしょ」と軽く受け流していました。
先生からの一言に衝撃
そんなある日、担任の先生から1本の電話が。
告げられたのは、「最近、息子さんがクラスで少し浮いていて心配です」という、思いがけない一言でした。
詳しく聞くと、授業中に話しかけてしまったり、ふざけてお友達の筆箱をいじってしまったりと、小さなトラブルを繰り返していたようです。
最初は軽い注意で済んでいたものの、回数を重ねるうちに、周囲の子どもたちがだんだん距離を置くようになっていったそうで、先日ついに「もう一緒に遊ばない!」とまで言われてしまい、本人も教室で泣いてしまったと……。
連絡帳に込められていた“サイン”
その話を聞いたとき、これまでの連絡帳の文面がふっと頭によみがえってきました。
「おしゃべりが多く注意しました」
「少しトラブルがありました」
……あれは、ただの報告ではなかったんだなと、ようやく気づきました。
先生はちゃんと“サイン”を送ってくださっていたのに、私はそれを受け取れていなかったのです。
保育園と違い、小学校では毎日細かく書いてくれるわけではありません。だからこそ、“書かれているときこそ注意すべき”でした。
小さな積み重ねが大きな変化に
それ以来、私は連絡帳を丁寧に読むようになりました。
何も書かれていない日でも、息子に「今日はどうだった?」と毎日話を聞くようにしています。
先生に気になることやお礼の言葉を書き添えることで、少しずつ連携もとれるようになってきました。
その甲斐あって、少しずつ息子のクラスでの居場所も取り戻すことができ、今では笑顔で学校に通っています。
子育てって、親が「ちゃんと見ようとする」姿勢を持ち続けることが、やっぱり何より大切なんですね。
反省と感謝の気持ちを込めて、これからも向き合っていきたいと思っています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。