人混みの中を歩いていると、知らない男性がすれ違いざまに……
私は東京在住の、アラフォー会社員です。これは数年前、都内のとある駅を歩いていた時の話です。その駅は都内でも有数の大きな駅で、その日も数えきれないほど多くの人が行き交っていました。
人混みの中を、他の人とぶつからないように歩いていたところ、前方から50代くらいのジャージ姿の男性が歩いてくるのが見えました。私は男性を避けようとしましたが、その男性は私が避けた方向についてきて、すれ違いざまに突然、私の脇腹に思いっきり“肘打ち”をしてきたのです。
あまりの痛さにうずくまる私。何事もなかったかのように立ち去ろうとする犯人を目で追いながら「このまま泣き寝入りしたくないけど、痛い上に怖くて声が出ない。誰か助けて……」と心の中で叫んだ直後、奇跡のような出来事が起こったのです。
「大丈夫ですか?」と私に声をかけ、犯人の足止めもしてくれた目撃者
突然、どこからかスーツ姿の若い男性が現れて、大きな声で「大丈夫ですか!?」と言いながら私に駆け寄ってきました。
その男性は一部始終を目撃していたらしく、肘打ちしてきた犯人を追いかけて「すみません、あなた今この女性にわざとぶつかりましたよね?」と呼び止めてくれました。
周りの視線が集まる中、「やってない」と言いながら逃げようとする犯人。男性が足止めしてくれている間に誰かが駅員に通報してくれたようで、駅員数人が駆け寄ってきました。
犯人はどこかに連れて行かれ、私は駅員室でいくつか質問をされた後、解放されました。その後警察から連絡があり、「犯人は、駅内で通りすがりの女性に危害を加える常習者だったため、逮捕に至った」という話を聞かされたのです。
本当に怖い体験でしたが、あの時すぐに駆け寄って助けてくれた男性には感謝しかありません。私も困っている人がいたら、迷わずすぐに手を差し伸べられる人になりたいと思います。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N
不動産・金融関係のキャリアから、同ジャンルにまつわるエピソードを取材し、執筆するコラムニストに転身。特に様々な背景を持ち、金融投資をする女性の取材を得意としており、またその分野の女性の美容意識にも関心を持ち、日々インタビューを重ね、記事を執筆中。