筆者の母の話です。定年後も家事をまったくしない父の姿に、母がふと感じた「このままではまずい」未来と、そこに込められた後悔です。

未来を想像して背筋が冷えた

そんなある日、母はふと考えました。
「私が先に倒れたら、この人はどうなるんだろう」
その瞬間、背筋がスッと冷えたのです。

実際、母が入院したとき、家のことは何ひとつできない父に代わり、私が実家に戻って世話をしました。
今はそれでもなんとかなるけれど、私にも生活があります。
このままでは、父は本当にひとりで何もできずに困ることに……。
「今から少しずつでも、家のことを覚えてもらわなければ」
母はようやく、そう思うようになりました。

母の静かな後悔

とはいえ、長年“何もしない”ことが当たり前になってしまった父。
いざ向き合ってみると、どこから手をつけていいかもわからない状態です。

そんな父の姿を前に、母はぽつりとつぶやきました。
「もっと早いうちに、手伝わせる努力をしておけばよかった」
それは母自身の反省であり、私にとっても深く考えさせられる言葉でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。