きちんとお願いしていたはずなのに
義父の葬儀を終えたばかりの友人A。
高齢の義母は、説明を受けても内容をうまく覚えられないことがあるため、今後の話はすべてA宅で受けたいと、夫婦で葬儀社に伝えていました。
特にこの日は、四十九日や仏壇の準備など、これからの予定や必要なものについての説明があるという連絡があり、Aの夫はその時間に合わせて自宅で待機。
弔事休暇中とはいえ、ほかにも手続きがある中で、予定をやりくりして時間を空けていたのです。
待っても来ない
ところが、約束の時間になっても葬儀社の担当者は現れず、何度電話をかけてもつながらないまま。状況の説明も連絡もないことに、夫はだんだん苛立ってきました。
そんな中、実家でひとりだった義母から電話がかかってきました。
「今ね、担当の人が実家に来て、説明して帰ったよ」 と。
まさかと思いながらも話を聞くと、なんと事前の取り決めを無視して、勝手に義母宅へ行っていたのです。
それ、説明って言える?
その後の準備をしっかり確認するため、夫婦で義母宅へ向かうと、葬儀社の担当者が置いていったという一枚の紙を義母から手渡されました。
そこに書かれていたのは「納骨→家族で相談」などという走り書き程度のメモだけ。
必要な日程や物の説明といった具体的な案内は何もなく、とても「訪問して説明を終えました」と言える内容ではなかったのです。
「近かったから」では済まされない
夫はすぐに葬儀社へクレームを入れましたが、電話越しに返ってきたのは形式的な謝罪だけ。
なぜ義母宅に行ったのかという説明も曖昧で、納得のいく対応は得られませんでした。
確かに、葬儀社から見て義母宅の方が近かったのかもしれません。
でも、それはあくまで葬儀社側の都合であり、事前に約束した内容を破っていい理由にはなりません。
葬儀での対応が丁寧だっただけに残念でなりませんでした。
信頼できる葬儀社と出会えたと思っていたのに。
「自分が楽できる方を選んだだけでは?」
と疑いたくなるような、忘れられない出来事です。
【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。