舅との家族旅行
私の姑は数年前に病気で他界しています。
姑が亡くなってからというもの、一人暮らしになった舅の提案で、舅と夫と私と子供たち3人の計6人で家族旅行をすることがあります。
舅が元気なうちに、子供たちにもおじいちゃんとの思い出がたくさんあったほうがいいと思っているので、一緒に旅行へ行くこと自体には私は大賛成なのですが……。
揃わない足並み
舅は穏やかな性格で、孫たちを大事に思っているのは間違いないと感じます。ただ、「子供」というものに慣れていないので、私から見ると、思いやりが足りないように見えることがあるのも正直な気持ちです。
夫が子供のとき、舅は仕事が生きがいのモーレツ社員で、休みの日も育児にはほとんど関わっていなかったと聞いています。団塊世代では特に珍しいことではないと思いますが、子供の扱いや子供の話し相手としては実際頼りにはなりません。
旅行中に観光名所を訪れた際、子供たちが疲れてしまった場合は、仕方なく切り上げることもありますが、舅は納得いかない様子なこともあります。逆に子供たちがまだ遊びたいという場所では、もう行くよと早々に切り上げたりすることもあるのです。
どうしても3世代の足並みはそろわないため、旅行中、私は徐々に疲弊してしまいました。
自分本位な態度に失望
舅は、ホテルの食事や入浴時も、自分の好きなように行動します。
朝食バイキングの時間に、長男がお腹を壊したので夫がトイレへ付き添いました。
舅と私は7歳次男と4歳長女を連れて朝食会場へ行ったのですが、次男には重篤なアレルギーがあり成分を確認しながら慎重に食事を選ぶ必要があります。
未就学の長女の朝食を取りに行くのを舅に頼もうとしたのですが、すぐにいなくなってしまい、15分ほど時間をかけて自分の分を持ってきてゆっくり食べる姿に、「本当に自分のことしか考えてないんだ」と私はすっかり失望してしまいました。
もしかしたら、という想像力を持って
旅行から帰宅するとクタクタで、「もう舅と一緒に旅行はしたくない」と思ってしまった私ですが、その直後に、思いがけない出来事がありました。
以前は育児の面でも頼りにしていた実母も後期高齢者になり、自分のことしか考えられないような言動が増えてきて、孫の世話を避けるようになってきたのです。私は「もしかしたら人によっては年を取るってそういうことなのかも」と思うようになりました。
今後は、また舅と一緒に旅行しても、何かをしてもらおうとするのではなく、だた一緒に過ごすことを目的にしようと思いました。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。