優秀な義妹
私の夫は長男で、年子の弟がいます。義弟は私たちよりも数年早く結婚し、綺麗で優秀な高給取りの奥さんがいます。
お盆や正月に夫の実家へ帰省すると、姑を真ん中に、食事の後片付けなどを弟の奥さんのR子さんと私で一緒に行います。
あからさまな比較
そういう時、姑はやたらとR子さんを褒めます。
「R子さん、TOEICも満点だし、どうしてそんなに優秀なの?」と私の隣で言うため、TOEIC300点で学歴コンプレックスのある私はまるで比較をされているような気がしてしまいます。気にしないようにしようと思うのですが、そういった発言が続きました。
ある時は、義弟のことを、
「あの子は運がいい、あんなにわがままな子だったのに、大好きな人と結婚できたから素直に言うことも聞くようになったし、R子さんには感謝やわぁ」と言い、一方私には、夫のことを、
「あの子はついてないわ。昔から運が悪いの。あの子はあなたに気を遣っているのよ」と、結婚相手すら運の差があったと言わんばかりの比較した言い方をするので驚きました。あまりの待遇の差に言葉も出ませんでした。
聞こえてきた悪口
ある時、朝ごはん用にスーパーでパンをみんなで購入しようとしたところ、義妹が「私はこちらのパンがいいです」と選びました。
帰宅後に姑が、
「お父さん、聞いてよ。R子さん、あっちのパンじゃなくて、こっちの高いパンがいいって言うんよ」と悪意のあるような嘲笑を含んだ言い方で舅に告げているのを見てしまいました。
結局、姑は誰のことも悪く言うし、気まぐれに褒めることもあるのかもしれないと感じ、比較されても気にしないようにしようと思うようになりました。
姑が亡くなって
姑はその数年後に病気で亡くなってしまうのですが、葬儀の際に姑のお姉さんから、
「亡くなる直前に、あなたの優しさに感謝してると言うとったよ」と言われ、私は思わず泣いてしまいました。
散々嫌な思いもしましたが、その言葉のおかげか、姑のことを恨まずに思い出として胸にしまえている自分がいるのです。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。