突然の「学校行きたくない」
ある朝、娘がぽつりと「今日、学校行きたくない」と言いました。
普段は元気いっぱいに登校していたので、私は驚いて「どうしたの?」と聞きましたが、「言いたくない」と首をふるばかり。
その日は無理に行かせるのはやめて、家でゆっくり過ごさせました。
夜になって、ようやく娘が口を開きました。「Cちゃんに、“もう友達じゃない”って言われたの」
私は思わず胸が締めつけられました。
昨日まで一緒に遊んでいた子に、突然そんなことを言われた娘の気持ちを思うと、涙が出そうでした。
子どもの世界も、ちゃんと深い
「なんでそう言われたの?」と聞くと、娘はうつむきながら話してくれました。
どうやら些細なことで意見が食い違い、口喧嘩になったようです。
その後、周りの子たちもCちゃんの味方をして、娘はひとりぼっちに。
「私、何か悪いことしちゃったのかな」そうつぶやいた娘を、私はぎゅっと抱きしめました。
子どもの世界も、感情がちゃんとあって、複雑なんだと改めて気づかされました。
話すことで、心が軽くなる
翌日、私は娘に「行きたくないなら無理しなくていいよ。でも、また笑える日が来るよ」と伝えました。
すると娘は、しばらく考えてから「行ってみる」と言ってくれました。
学校から帰った娘は、笑顔で「Cちゃんが“ごめんね”って言ってくれた!」と話してくれました。
「私もごめんって言ったら、“また遊ぼう”って言われたの」
私は涙をこらえながら、「よかったね」とだけ言いました。
誰かに話すことで、心が軽くなる。そして、自分から一歩踏み出す勇気が、関係を修復することもあるのだと娘が教えてくれた気がしました。
子どもの涙に、ちゃんと向き合いたい
子どものトラブルは、小さなことに見えるかもしれません。
でも、そのひとつひとつが、心に残る大切な経験なのだと感じました。
親としてできるのは、解決してあげることではなく、寄り添い、受け止めることなのだと思います。
娘の強さと優しさを知った出来事は、私にとっても宝物のような思い出になりました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。