里帰り出産希望
第一子の出産が近づく中、私は迷いなく「里帰り出産」を選ぶつもりでいました。
というのも、実家にはすでに昨年、姉が出産したときに揃えたベビーベッドやベビーバスなどがあり、環境が整っていたからです。
何より、両親は育児にとても協力的で、私の体を休めることにも理解がありました。
出産という大きなライフイベントに向けて、私は自分が心から安心できる場所で新しい命を育みたい、と思っていたのです。
義母の“当たり前”にモヤモヤ
ところが、義母にそう伝えると、激しく反対されてしまいました。
「嫁なら、こっちで産んで姑に面倒をみてもらうのが当たり前」と言い張るのです。
さらには夫までもが、「母さんも2人の子どもを育て上げた母親だから、頼れると思うよ」と、義母に同調。
正直、かなりショックでしたし、不安になりました。
夫の態度が一変。決め手になったのは?
そこで私は、冷静に現状を説明することにしました。
「もしそちらに里帰りするなら、ベビーベッドやベビーバスなど、必要なものを1から準備しなければならないし、まとまった費用もかかりますよ」と。
すると、義母は一瞬たじろいだ様子を見せました。
しかし、すぐに「赤ん坊なんて台所の流しで洗えるわよ」「ベビーベッドなんて必要ないわ。床に布団を敷いて寝かせればいいの」と、持論を展開し始めたのです。
義実家の室内には犬がいて、とても床に赤ちゃんを寝かせられる状況ではありません……。
最初は義母寄りだった夫も、その発言にはさすがに引いたようで、少しずつ態度が変わっていきました。
そして最終的には、「やっぱり、そちらの実家に里帰りしたほうがいいよな」と私の味方になってくれました。
心も体も休まる場所で
その後、無事に出産を終え、私は実家で産後の生活をスタートしました。
慣れた場所、信頼できる両親の支え、準備された育児グッズ……どれもが、心から安心できるものでした。
赤ちゃんとの時間にしっかり向き合えたのも、落ち着いて過ごせる環境があったからこそだと思います。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。