新しい上司
私がパートで勤務しているコールセンターには、センター長という役職があります。
今までは現場で経験を積んだ人が任されていたのですが、3ヶ月ほど前、会社が業務提携をした先から全く経験のないTという上司が着任しました。
このTは今どき考えられないハラスメントオンパレードの人。
何かあると「パートのくせに」「黙って上司の言うことを聞いていればいい」などの発言を平気でする人でした。
直訴
ある時、私の同僚が仕事でミスをしてしまい、Tに呼び出されました。
すると、ミスをしたことではなく、口答えをしたと言い出しTは激怒!
「パートなんて付け替える首はいくらでもある」
「あなたの年で雇ってくれるところなんてないはず」
などと暴言を吐いたというのです。
私たちは、あまりのハラスメントに耐えられず、社長に話すことにしました。
私の職場は社長との距離も近かったため、私は数人の仲間と社長に直訴。
すると社長は「証拠がないと何も言えない。Tさんの暴言を立証できるような証拠が欲しい」と言ったのです。
証拠
社長曰く、業務提携とは名ばかりで、吸収合併のに近い形なので立場的にはこちらが弱いとのこと。
Tさんの暴言を報告するのであれば、それ相応の証拠が必要だというのです。
私たちは証拠集めのために、Tに呼び出されたときは業務用に準備されているボイスレコーダーを持って行くことにしました。
そして2週間ほど経った頃、朝から機嫌の悪かったTは急に私のことを呼び出したのです。
処分
Tはいきなりパートに対する評価制度を作るという話をし始めました。
「パートは使えない奴ばかり」
「募集すればいくらでも来る」
「高齢者の面倒をみるつもりはない」など、暴言のオンパレード!
私は無事にすべての発言を録音し、その日のうちに社長へ提出しました。
社長は提携先のハラスメント相談窓口へこの証拠を提出し、相談。
すぐに担当者が動き、数日後にTは本社へ異動という形でセンターからいなくなったのです。
ハラスメントは社会問題
Tは能力に問題はなかったのかもしれませんが、上司としては失格だったと思います。
ハラスメントは社会的な問題……Tのような人が少しでも改心してくれることを願うばかりです。
【体験者:50代女性・パート、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。