子どものサッカーチーム仲間と計画した1泊旅行。筆者の知人・美沙さん(仮名)は幹事として準備に奔走していました。ところが直前、「親の体調不良」でキャンセル者が出てあたふた。今回は、あるママ友との信頼が揺らいだ、「それはないよ」と思わずつぶやきたくなるような実話です。

「ゲリラ参加ですいません。やっぱこのメンバーだよ、温泉サイコー!」
そんな文字とともに、C子さんが別のママ友たちと関東の温泉地で笑顔を見せている動画が投稿されていたのです。

浴衣の柄には、はっきりとホテル名も入っています。しかも、日付は“今日”。

「親の体調が悪かったんじゃ……?」
湧き上がったのは、怒りというよりも、呆れに近い“信じられなさ”。

そんな人じゃないと思っていただけに、美沙さんの受けたショックは想像以上に大きかったのです。

静かな既読スルー

楽しい時間を壊してはいけない。そんな思いで、美沙さんはそっとスマホを閉じて誰にも言わずにやり過ごし、旅行を楽しみました。
子どもたちは思いきり遊び、ママたちも久しぶりに心から笑った夜。
旅行も、なんだかんだでいい思い出になりました。

卒団から数か月後、久しぶりに集まろうという話題でメッセージアプリがにぎわったときのこと。
C子さんが「今度は私が幹事やるね」と名乗りを上げました。

けれど、不思議なほど誰ひとり返事をしなかったそうです。
「ああ、みんな見てたんだな」
スマホの画面をぼんやりと見つめながら、美沙さんは、胸の奥でそっと“答え合わせ”を終えた気がしたそうです。

信頼は、言葉ではなく行動で育まれるもの。
それを改めて感じた出来事でした。

【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2024年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。