また来たの?
去年の夏休み。小学3年生の息子と同じクラスの友達Aくんが、頻繁に家に遊びに来ていました。息子はAくんが遊びに来るのを、とても嬉しそうにしていました。
しかし、私はAくんに不満を抱えていました。彼は朝の8時に「ピンポーン」と突然やってきて、夕方までずっと家にいようとするのです。
そんなAくんを迷惑だと感じるようになっていきました。ただ、子供相手に何も言えませんでした。
天国だと話す理由
そんなある日。
「ここのお家は涼しいね~」
「そうかな?」
「そうだよ。僕にとっては天国だ~」
息子とAくんの会話を耳にした私。
「Aくんのお家もクーラーついてるでしょ?」
連日猛暑が続いていたので、クーラーをつけるのが当たり前だと思ったからです。
「クーラーはあるけど……ママに『つけちゃダメ』って言われてるんだ~」
「えっ?」
私が驚いて聞き返すと、Aくんは家にやってきた理由を打ち明けたのです。
「『涼みたかったら他の家に行け』って言われたから来たんだよ」
遊びに来るときは、必ずお弁当を持ってきていたAくん。そして夕方までは絶対に帰ろうとしませんでした。Aくんは涼しくなる時間まで家にいようと思っていたのでしょう。
そんな彼をかわいそうだと思うのと同時に、どうして私がクーラー代を負担してまで家で面倒をみなきゃいけないのかと腹が立ちました。
他の家にも通っていた
後日、私は他のママ友たちにAくんの話をしました。するとみんな口をそろえてこう言ったのです。
「うちにも朝からAくん来てるよ!」
なんとAくんはクーラー目当てで、友達の家を転々としていたのです。
ちなみに私はAくんママとは面識がありません。彼女は学校行事をいつも欠席しているので、会う機会がないのです。それなのに知らない相手の家を避暑地にしようとするなんて、図々しすぎませんか?
私は他人の家庭事情に口出ししたい訳ではありません。ただ、一方的に利用されているようでモヤモヤが止まらなかったのです。今年の夏休みは他のママ友たちと協力して、Aくんママと話す機会を作りたいと考えています。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。