「結婚は我慢の連続」確かにそういう側面もあるかもしれません。
しかし、「我慢しないことが夫婦円満の秘訣」の可能性も。それを実際に体感した筆者のエピソードをご紹介します。

喧嘩にならないように

私は結婚して13年になりますが、数年前まで、夫に対し、「これを言ったら不機嫌になるかも」と思ったときは、不満や違和感があっても口にしないように我慢してきました。

どうしても言いたい場合はおどけたり、ふざけた口調で言ったりして、喧嘩にならないように細心の注意を払っていました。これはおそらく、自分自身が家庭不和の中で育てられたことに起因しているような気がします。

我慢も積もると……

しかし、あまりにも自分だけが夫に歩み寄って、それが重なってくると、あるときに我慢の限界が来るのです。ある日、泣き叫びながら、夫に対する恨みつらみをぶつけ、嵐のような大喧嘩をしてしまいました。

子どもたちの前で一度やらかしてしまってからというもの、子どもたちへの申し訳なさから、なんとかしなければと対策を考えるように。

思ったことは小出しに

ため込んで爆発させないように、少しずつ、少しずつ、思ったことをその場で口にする練習をしていきました。空気を読みすぎず、自分が納得いかないことは、言葉ですぐに伝えるようにしました。ちょっとした口論になりかけることはありましたが、毎回お互いの意見をすり合わせ、喧嘩というより「強気な意見交換」という感じです。

そして夫が不機嫌になったとしても、「私の問題ではない」とスルーすることもできるようになっていったのです。

気づけば、自分自身の気持ちに徐々に正直になっていき、以前より私は機嫌が良いことが増えていることに気づきます。「あれ、最近私怒鳴ってないな?」と思ったとき、夫が私に対して、親切になっていることにも同時に気づいたのです。

以前は、家事には消極的だったはずなのに、手伝ってくれるように。特に私の苦手な「洗い物」「洗濯物畳み」を率先してやってくれるようになっていたのです。

「ママが笑顔の方がいいでしょ?」

さらに、子どもたちが「ママ行かないで」と私の外出を嫌がると夫が子どもたちを説得するようになりました。

「ママがやりたいことをやって笑っている方がいいでしょ?」

可能な限り、ではありますが、本音で過ごすことが、実は良好な人間関係の近道だったのか、と目からウロコの気分です。

「我慢は美徳」が死語になる日も近い……でしょうか?

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。