姑のモヤモヤ発言
Aさんには3歳になる息子がひとり。
義両親にとっては初孫だったため、目に入れても痛くないほどかわいがってくれています。
義実家はAさん一家が暮らしているマンションからすぐ近くにあり、お姑さんはことあるごとに孫の顔を見にやって来ていました。
お姑さんとの関係は良くも悪くもなく、といった感じだったのですが、Aさんには気になることがありました。
それはお姑さんが「Aさん、うちの孫の面倒を見てくれてありがとう」「うちの孫にはちゃんと良いものを食べさせてあげてね」といったような発言を繰り返すことでした。
お姑さんはいつもAさんの息子のことを「うちの大事な孫」「息子の子」という呼び方をして、まるでAさんは蚊帳の外。
「私が産んだ子なのに……」
Aさんはお姑さんが来るたびにモヤモヤした気持ちになっていました。
義妹がやってきて・・・
そんなある日、お姑さんは海外で働いていて一時帰国してきた義妹を連れて、Aさんの家にやってきました。
「わあ、〇〇ちゃん(息子)すっかり大きくなって!」
義妹が前に息子に会った時はまだ生まれたての赤ちゃんだったので、すでに歩き回っている息子を見て驚いていました。
「成長が速いのよ、うちの孫ですから」
お姑さんはいつものように「うちの孫」「△△(旦那さん)の子」という言い方で義妹に息子の話をします。
Aさんはモヤモヤとした気持ちを隠しながら、ニコニコとお姑さんと義妹の話し相手をします。
「でね、うちの孫だから大事に育ててねってAさんに言ってるの」
お姑さんがそう言うと、義妹の顔が急に曇りました。
「ねえお母さん、その言い方は良くないよ。確かにお母さんの孫だけど、この子はAさんの子なんだから。Aさんを子どもの世話だけしてる他人みたいに言うのやめなよ」
義妹がお姑さんにビシッと言ってくれて、Aさんは胸がスッとする思いをしたそうです。
それからお姑さんの「うちの孫」発言はなくなってはいないものの、かなり減ったそうです。
義妹に言われなければずっとモヤモヤし続けていたかもしれないと思うと、義妹に感謝ですね。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。