楽しいはずの場を凍らせた、ありえない言動とは?
距離感の大切さを、しみじみ思い知ることになったエピソードです。
新しい土地で
私たち家族は、夫の転勤をきっかけに、郊外の住宅街へと引っ越してきました。
知らない土地での暮らしは不安もありましたが、近所には同年代の子どもを持つ家庭も多く、自然とママ友たちと顔を合わせるようになりました。
幸いなことに、皆さん穏やかで話しやすく、新しい環境にも少しずつ慣れてきたころのことです。
そんな質問、する!?
ある日、ママ友繋がりでB子さんと出会いました。
ニコニコと愛想よく話す彼女は、とても気さくでいい人そう。
子ども同士が同じクラスということもあり、仲良くなれそうと思ったのも束の間――。
彼女の口から、驚きの言葉が飛び出しました。
「ねえ、旦那さんの年収ってどれくらい? うちは、まぁまぁある方だと思うんだけど〜」
「……えっ?」
予想外の質問に、思わず言葉を失っていると、矢継ぎ早に次の質問が。
「あっ、そうそう、おたくのお子さん、期末テストは何点だった?」
初対面とは思えない、ぶしつけな質問のオンパレードに、私はかなり動揺してしまいました。
地獄の空気
「うちは普通ですよ」
やんわりかわしたつもりでしたが、まったく空気を読んでくれないB子さん。
「ねえねえ、とってもいいおうちに引っ越してきたのね。マイホーム? 賃貸?」
「保険どこ?」
「学資っていくら積んでる?」
勢いのついた彼女は、同じ調子で他のママ友のことも質問攻めにしています。
これにはみんな、ドン引き。
あるママが「うちはあまりそういう話は……」と話題をそらそうとしても、「えー、なんで隠すの? 参考にしたいだけなのに〜」と食い下がる始末です。
その場にいたママ友たちは苦笑いを浮かべながら黙りこくってしまい、空気は完全に凍りついてしまいました。
グループLINEから消えたママ友
その日以来、「ねえ、B子さんとはちょっと距離を置きたいわね」という声があちこちから聞こえるように。
数日後、連絡用に作られていたママ友グループから、B子さんの名前がそっと消えていました。
そのことについて、誰も口には出しませんが、この沈黙が、全てを物語っているように思いました。
まとめ
人との距離感って、やっぱり大事。
同じママ友同士、どんなに身近に感じていたとしても、プライバシーに踏み込みすぎてしまうのは考えものですね。
【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。