長く一緒にいても、相手の本当の気持ちに気づかないことがあります。言葉にしなければ伝わらないけれど、言葉にするのは照れくさい。今回は、そんなすれ違いの中で、夫婦として大切なことを再確認した友人のエピソードをご紹介します。
突然の宣言
結婚して10年、家計の管理はずっと私が担ってきました。
仕事をしながら、食費や光熱費を抑えるために工夫し、レシートとにらめっこしながら毎月のやりくりをしていた私にとって、それはもはや日常の一部。
ところがある日、夫が突然「これからは俺が家計を管理する」と言い出したのです。
思いがけない一言に、私は困惑し、「え? まさか金銭モラハラ?」と不安がよぎりました。
いやいや、うちの夫に限ってそんなことは……と自分に言い聞かせながらも、心の中はざわついていました。
赤字続きの家計
こうして、夫が家計を仕切る生活が始まりました。
けれど、最初の月から問題が続出!
無計画な買い物や外食が増え、光熱費のチェックもおろそかになり、家計簿はみるみる赤字になっていきました。
私は夫に文句を言い、夫も売り言葉に買い言葉で反発。
話し合うどころか、すっかりギスギスした空気が流れ、会話さえも減ってしまいました。
「このままじゃまずい」と思いつつも、私も引くに引けないまま、険悪な日々が続きました。