すると、映っていたのは私たちの留守中に合鍵で侵入し、まるで自分の家のようにキッチンや洗面所をうろうろしたり、ソファでくつろいだりする義姉の姿でした。
その異様な光景に、背筋が凍りました。
義姉の言い分
スペアキーは義実家に預けていたもので、どうやら勝手に持ち出していたよう。
夫と一緒に義姉を問い詰めると、最初は「ちょっと見たいだけだった」「夢のマイホームが羨ましくて」と軽く答えていたのですが……
やがて、義姉はこんな言葉を漏らしました。
「この家、本当はうちが買う予定だったのよ」
実はこの建売住宅は、もともと義姉夫婦が購入を検討していたそうです。
しかし住宅ローンが通らず、購入を断念。
その直後に、私たち夫婦が何も知らずに購入していたのでした。
叶わなかった未来への執着
「自分が住んでいたらって想像すると、入ってみたくなって……」
そう話す義姉の目は笑っておらず、じっと家の壁を見つめていました。
不自然な発言も、すべて“住むはずだった自分の家”への執着から来たものだったのでしょう。
新築祝いに来たはずの義姉が、本当に「見に来ていた」のは、かつて自分が夢見た生活だったのかもしれません。
もちろん、鍵の管理はきっちり見直し、義姉にも「2度としないでほしい」と伝えましたが、今も思い出すと背筋が冷たくなる出来事です。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。