筆者の知人A子は、今回の出来事を通して、暮らしの中で気をつけたい「配慮」について改めて考えることになったそうです。
夏は蚊取り線香
これは今も住んでいる戸建に引っ越してきたばかりの時のことです。
夏に私は新居のベランダに出て蚊取り線香に火をつけ、椅子に座って読書をはじめました。この習慣は子どものころから慣れ親しんだもので、煙が緩やかに立ち上るのを見ながら、「これで蚊に悩まされずに済む」と、少し安心した気持ちに。
私の中では、ごく自然な夏の風景で、誰かにとって迷惑になっているなんて、想像もしなかったのです。
隣人の一言にハッとする
次の日の夕方、隣人のB子さんとバッタリ会ったとき、
「あの、最近こちらへ越してきた方よね?蚊取り線香の匂いがうちの部屋に入ってきてしまって……。洗濯物にも匂いがついちゃうからやめてもらえない?」
と申し訳無さそうな表情で言われて、私はドキリとしました。
「えっ、そんな風に感じていたなんて」と。今まで気にも留めていなかったことが、誰かにとってはずっと我慢の種だったのかもしれない。
とても驚いたと同時に、恥ずかしさが込み上げて来たのです。
見落としていた家同士の位置関係
確かに我が家のベランダは隣家の洗濯物干場に隣接していました。
引っ越してきて初めての夏といえど、そのことに気が付かずに不快な思いをさせてしまっていたなんて……。
気づかずにいた自分が情けなくて、深く反省しました。
これを機に、私は生活を見直すことにしたのです。
気持ちよく暮らすための選択
それ以来、私は蚊取り線香の代わりに電気式の虫除けを使うようになりました。煙も香りも出ないタイプなら、周囲に影響を与える心配もありません。
大切なのは、自分の快適さだけではなく、周りの人の過ごしやすさにも気を配ること。小さな選択が、暮らし全体の心地よさにつながると実感しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。