夫とB子さん、それぞれの答え
その日の夜、A子さんは思い切って夫に問いかけました。
「昨日、駅前のカフェにいたって聞いたけど……?」
夫は少し驚いた様子で、「ああ、いたよ。たまたまB子さんと会って、少し話しただけ」と答えました。どうやら同じ電車で帰宅中に偶然会い、B子さんが幼稚園の資料について相談したいことがあって、10分ほど話して別れたとのこと。
翌日、A子さんはB子さんにもそれとなく聞いてみたところ、B子さんは少し気まずそうに笑いながら、こう言いました。
「本当に偶然だったの。次の日までに用意しないといけない園関係の書類があったのだけど、分からない部分もあったのに忙しくてなかなか手を付けられていなくて。LINEや電話で人に聞くのも私は苦手だからどうしようって焦っていたら、丁度A子さんの旦那さんとバッタリ会ってね」
「最初は軽い立ち話だったのだけど、旦那さんが『いつも親子でお世話になっているから』って、親切に教えてくれたのよ。でも、まさかこんなふうになるとは思ってなかった。不安な思いをさせちゃってごめんね」と言ってくれました。
思い込みの怖さと、信頼の大切さ
そのときA子さんは、自分がどこかでB子さんを疑っていたことに気づき、申し訳ない気持ちになったといいます。
「たったひと言の目撃情報で、こんなにも不安になるなんて……」
今回の出来事を通して、A子さんはママ友との関係において“信頼”がどれほど大切かを痛感しました。
今もB子さんとは変わらず仲良くしているそうですが、A子さんは「これからはもっと丁寧に人と向き合い、想像で判断しないようにしたい」と話していました。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。