今回は、友人A子が経験した、息子の幼稚園でのある出来事をご紹介します。甘えん坊だった息子が自立していく姿に、喜びと切なさが交錯した“親としての転機”を描いた物語です。
泣き虫だったあの子が
息子のF太が幼稚園に入ったばかりのころ、毎朝の登園はまるで戦いでした。
「ママがいい! ママといたい!」と玄関で泣き、先生に抱えられて中へ。
私も涙をこらえながら、「頑張れ」と心で祈る毎日でした。
周りの子たちが少しずつ園に慣れていく中、F太はずっと「ママと一緒がいい」と言い続けていて、私は正直、焦りを感じていました。
突然の“変化”
そんなある日。
「今日ね、バスで行きたいの。ママ、来ないで」
突然のF太の言葉に、私は耳を疑いました。
どうやらお友だちとバスに乗りたい気持ちが芽生えたようで、先生にも「F太くん、今日はすごく自分から動いてましたよ」と言われたんです。
私は驚きながらも、嬉しさと少しの寂しさが入り混じるような、複雑な気持ちになりました。