思春期に母親が学校に来るのがちょっと嫌だった、という方も珍しくないのでは。今回はそんな風に感じていた子供がどんな大人になっていったのか? 数十年にわたるエピソードをご紹介します。

PTA活動に積極的な母

小学校6年生のときに、私の母は小学校のPTAに立候補し、会長として活動していました。

頻繁に学校に来ているのがなんとなく恥ずかしくて、学校で見かけても無視したい気持ちだったことを記憶しています。今思えば、パートもしながら忙しい中、積極的に関わってくれていたことをありがたく思えるのですが、なにせ当時は思春期に差し掛かり、親のことを疎ましく思う時期。

「お母さんが学校に来るの恥ずかしいから嫌!」と一度言うも、「お母さんが学校に関われば、あんたたちの様子もわかるし、いいでしょ」
そんな母を当時はうっとおしく思っていました。

自分も母親になって

しかし、いざ自分も親になってみて分かったのが、子供が小学生になると、なかなか先生と話す時間がありません。我が子が学校でどう過ごしているのかを知る機会も減ったと感じるようになりました。

また、学年が上がるにつれて、子供自身も学校であったことを話してくれなくなったのも事実です。
そして、学校の先生が、とてもよく子供たちのことを見てくれて寄り添ってくれていることに感激するたびに、保護者として何か関われたらいいなと思うようになっていきました。

そんなときに、前任者からの推薦があり、私は勢いでPTA会長をやることに。

過去を忘れている母

遠くに住む母と電話で話しながら、「そういえばPTA会長をやることにしたんだ」と張り切っていることを話すと、「あんたが会長? 大丈夫なの? 一体誰に似たんだろう」と不思議そうに母が言うのです。

かつてPTA会長をやっていたことをすっかり忘れている母の様子に逆に驚く私。
「どう考えてもあなたじゃないですか!!」すかさずツッコミを入れました(笑)

親の背中

常日頃、私が忙しくなるのを嫌がる息子が、私がPTA会長をやることだけは喜んでいることには驚きました。

そして小学5年生になった彼は、委員会を決める際に、児童会の役に手を挙げ、学校の運営に積極的に関わりたいという思いがあることを知りました。

私は決してそつなくこなせるタイプではないけれど、「何かしたい」という想いは子供に伝わるのでしょうか。
子供は親の背中を見て育つ、というのは間違いないと実感している今日この頃です。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:長橋知子
38歳で未経験からWEB広告制作の在宅ワークに挑戦し、セールスライター・WEBライターとして活動をスタート。読者に寄り添うライティングを大切にしている。特に、人間関係や育児、地域活動、女性の生き方に関するテーマが得意。また、noteで赤裸々エッセイを発信し、Kindle書籍も出版。「どんな自分でも生きていける」社会の実現を目指して奮闘中。