突然のお願い
ある日、息子が落ち込んだ様子で同じクラスのAくんの家から帰ってきました。
「自分専用のゲーム機が欲しい!」
あまり物を欲しがらない息子が、私にこんな風にお願いをしてくるなんて珍しいことでした。
自分専用機の必要性
我が家には一台ゲーム機があります。他の兄弟も使っているので家族共用です。またトラブル防止のために持ち出しは禁止にしています。
ただ、Aくんとその友達は一人一台ゲーム機を所有していて、それぞれ持ち寄って遊んでいるそうなんです。ゲーム機を持ってこない息子は、誰かに貸してもらわないとゲームができないという訳です。
「それは無理だよ。うちは家族で使っているし、安いものではないから家で大切に使ってほしい」
ゲームの持ち出しに反対している私は、息子にこう説明しました。
貧乏人扱いする友達
「持ってこないと仲間に入れてもらえない」
落ち込む息子を見て心苦しくなった私。ただ、次の話を聞いてハッとしました。
「Aくんに『遊びたいなら持ってこいよ。お前の家貧乏なのか?』って馬鹿にされて辛いんだ」
ゲーム機を持ってこないだけで、貧乏人扱いしてくるなんて、いくら子どもといえどひどいですよね……。
この時、代替案として”我が家にAくん達に来てもらって、皆でゲームをしたら?”と私から息子に提案をしたのですが、既にそう伝えてみたけれど”貧乏人の家なんか行きたくない!”とまで言われたということでした。
「そんなことを言う子はお友達なんかじゃない。買ったら買ったでトラブルになるだけだよ」
私は買ってあげたい気持ちをグッとこらえて、息子にこう伝えました。
我が家は買わなくて正解だった
その後「なんで買ってくれないんだ!」と反抗的だった息子ですが、次第にAくんたちと距離を置くようになりました。
「今度は最新ソフトを持っているかどうかで仲間外れをしてるみたい。俺はもうそんな中に入りたくない」
自分でトラブル回避した息子を「エライ!」と思いました。その後はゲーム機が欲しいと言うこともなくなり、自分自身で気の合う友達を見つけたようです。
ゲーム機の一人一台購入を否定したい訳ではありません。ただ、購入を考える際は【欲しいと思った背景】をお子さんによく確認する必要があると感じました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。