今回は、知人のA子さんに聞いた、職場で実際にあった人間関係のエピソードをご紹介します。真面目に働き、上司からも信頼されていたA子さんですが、ある日、同僚から身に覚えのないミスを指摘されました。違和感を覚えた上司がある行動に出たことで、思いもよらない事実が明らかになったそうです。

評価されることがトラブルのきっかけに

私は営業事務として働き始めて8年になります。
目立つタイプではありませんが、毎日コツコツと業務をこなし、上司からも「安心して任せられる」と信頼をいただいていました。
そんな私に対し、同じ部署の同僚・B子さんの態度が、ある時期から微妙に変わってきたのを感じていました。
話しかけてもそっけない返事、何かと距離を取るような素振り。
評価されることで、いつの間にか妬まれていたのかもしれません。

「A子さん、これ……あなたのミスじゃないの?」

ある日、定例会議でのこと。B子さんが突然、私の作成した資料を指して言いました。
「このデータ、数値が間違ってますよ。A子さんが作ったんですよね?」
驚きましたが、私は作成後に何度も見直しをしており、ミスがあった記憶はありませんでした。
不審に思い、自分のPCに残していたバックアップを確認すると、明らかに内容が異なっていたのです。
不自然な変更が加えられている。そしてログを見ると、私の保存後、他のユーザーによって上書きされた痕跡が残っていました。

上司のひと言で、真実が明らかに

その場にいた上司がすぐに反応しました。
「A子さんがこんな初歩的なミスをするとは考えにくい。アクセス履歴を確認してみましょう」
その瞬間、B子さんの顔がピクリとこわばったのを、私は見逃しませんでした。
後日、社内のシステム担当が調査を行い、B子さんが私のファイルにアクセスし、内容を書き換えていたことが明らかになったのです。彼女は上司に厳重注意され、後日、別部署に異動となりました。

見てくれている人は、ちゃんといる

上司からは、「君の誠実な働き方は、みんながちゃんと見ているよ。今回のことで、それがより証明されたね」と声をかけていただきました。その言葉に、私は心から救われた思いがしました。
職場には理不尽なことや誤解もあります。でも、日々の誠実な積み重ねが、自分を守る最大の武器になるのだと実感した出来事でした。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。