自分の体と向き合うことって、意外と難しいものですよね。忙しさや年齢を理由に、ついつい後回しにしてしまったり、見て見ぬふりをしてしまったり……。今回は筆者の友人が、20代のころに体験したエピソードをお届けします。

「そのうち治る」と思っていた

27歳の頃、私は生理のたびに感じる下腹部の鈍い痛みを、「若いから大丈夫」「そのうち治るだろう」と思っていました。
周期も不安定で、1ヶ月飛んだりもしていたのに、それでも「ストレスかな?」なんて、自分に都合よく解釈していたのです。

仕事が忙しいし、婦人科を受診する時間も余裕もない。そうやって、私は自分で自分にいいわけをして、体の声を無視していました。

親友の言葉にハッとして

ある日、久しぶりに会った親友とカフェでお茶をしていた時のことです。
ふと下腹部の激しい痛みに襲われて、思わず顔をしかめると、向かいにいた親友が真剣な顔で言いました。

「あんた、もういい加減にしなよ。何度も『病院行きなよ』って言ったよね? 自分の体、大事にしなきゃダメだよ。本気で心配してるの」

その言葉に、私は胸を突かれました。
叱る声の奥ににじんだ、真剣な心配。
いつも穏やかな彼女のその一言で、私はようやく重い腰を上げたのです。

もっと早ければ……

勇気を出して婦人科を受診した結果、「子宮内膜症の疑い。すでに進行しています」と医師に言われました。

内膜症は放置すると不妊の原因にもなりうる病気です。
治療内容は症状や年齢によって異なりますが、私の場合はすでに長期のホルモン療法が必要な段階まで進行していました。

「もっと早ければ、薬だけで済んだかもしれないですね」
その一言が、心に深く突き刺さりました。

不調を甘く見ていたことを、ようやく心から後悔したのです。

自分の体と、ちゃんと向き合う

今では定期的に検診を受け、自分の体と真剣に向き合っています。
あの時、親友が強く言ってくれなかったら、もっと大変なことになっていたかもしれません。

体の小さなサインを無視することが、どれほど危険か。
やっと気づけた今、自分を後回しにしない生き方を少しずつ選ぶようになりました。
皆さんも、体の声に耳を傾け、少しでも異変を感じたら早めに受診してくださいね。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。