家族というのは、人生のなかでもっとも身近で、もっとも難しい関係かもしれません。喜びも、苦しみも、時に複雑な感情も──すべてが交錯するからこそ、一筋縄ではいかないものです。今回は友人の体験談をお届けします。
ささやかな日常
夫と小学生の息子2人との暮らしは、私にとってはささやかでも幸せな毎日でした。
週末は家族で公園に出かけ、夜は笑い合いながら食卓を囲む。そんな穏やかな時間が、ずっと続くものだと思っていました。
ある日、義父が株式投資で失敗し、多額の借金を抱えたと夫から聞かされた時も、最初はどこか他人事のように感じていたのです。
まさか、そのことが私たちの生活をここまで変えてしまうなんて、思いもしませんでした。
援助という名の重荷
義両親は、自宅を売却しても返しきれない借金を背負ってしまったため、私たちに生活費の援助を求めてきました。
私が難色を示すと、「家族だろう」「恩を忘れたのか」と夫に詰め寄る義両親。その言葉に感情を揺さぶられた夫は、私に「お願いだから」と頭を下げてきました。
正直、納得はできませんでしたが、子どもたちの前で夫と争いたくもなかったので、私は渋々、その援助を受け入れる決断をしました。