“シンプル=手抜き”論にモノ申す
そんなK子さんに、私は落ち着いてこう返しました。
「実はね、シンプルだけどちゃんと考えて選んであるんだよ?」
K子さんは「えっ、どういうこと?」と驚いた表情。
そこで私はにっこり笑いながら、こう続けました。
「毎月、プロのスタイリストさんが私に似合う服を選んで送ってくれるサービスを使ってるの。見た目はシンプルだけど、素材とか色のバランスとか、すごく計算されてて楽しいよ」
これまではあえて話すことでもないと思っていたけれど、さすがに今回はちょっと言いたくなってしまったのです。
周囲の反応にニヤリ
その話を聞いていた他のママたちは「へぇ〜!」と、思わず目を見開いて反応。
K子さんも驚いたように、「え、プロに選んでもらってるってこと……?」と、ちょっと焦ったような顔をしていました。
「そうなの。自分で選ぶより、似合うものを提案してもらえるのが楽でね」
とさらっと答えると、K子さんはなんとも言えない表情のまま、「あ、そうなんだ〜……」と目をそらし、ちょっとバツが悪そうに去っていきました。
おしゃれに自信のあるK子さんでも、「プロのスタイリスト」には思うところがあったようです。
マウントから解放されてスッキリ
それ以来、K子さんは私の服装について何も言わなくなりました。むしろちょっと距離を置かれている気もします。
流行や他人の意見に流されることなく、自分が心地良くて好きだと思えるスタイルを大切にしていけたら、それが一番ですよね。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年4月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。