お城のような店内に気分はお姫様
私はいつもお願いしている美容師さんと予定が合わなかったとき、せっかくの機会だし、都心のおしゃれ美容室に行ってみようかと思いました。お値段はいつもより割高感があるものの、人生経験として一度くらいは……と奮発を決意。
店内に入るとキラキラした空間が広がっており、まるでお城にいる気分! 受付を担当してくれた美容師さんも、私と美容院内ですれ違ったお客さんも洗練された雰囲気の方ばかりで、期待に胸がふくらみます。
受付前の椅子でワクワクドキドキしながら待っていると、20代後半から30代前半の女性の美容師さんがいらっしゃいました。どうやら、この方が担当してくれるよう。
初回のカウンセリングでは少し愛想が悪いかなと思いつつも、クールな方なんだろうなと思い直すことに。しかし、カウンセリングが始まってすぐ、「どうしてうちに来ようと思ったんですか?」とややぶっきらぼうに尋ねられ、少し躊躇してしまいました。「私、場違い感ある!?」などと心の中で考えてしまいました。
美容師さんの発言一言一言にムカッ
施術中、美容師さんとはほとんど会話がありませんでした。店内は美容師さんとお客さんの会話でにぎわっている中、自分たちだけ静か……。美容室でゆっくりすごすのもアリですが、自分たちだけ会話がないというのもなかなかつらい。「どこにお住まいですか?」「お仕事お休みですか」など、初回ならではのお決まりの会話もなし。
そんなことをあれこれ考えていると、美容師さんに怪訝そうな顔で、「あんまりよいものを食べていないのではないですか? 髪がパサパサしています」と言われてしまいました。自分としては野菜や果物、タンパク質の摂取など栄養バランスに気を付けているつもりだったため、この言い方は癇に障りました。また、会話の中での一言であれば、心配してくれているとありがたくとらえられそうですが、いきなりこの一言はどうなのだろうか。
美容師さんとシャンプー台に向かう途中、読者モデルのようなかわいらしい見た目の常連客が席で待っていました。どうやら、この方はこの美容師さんの常連客のよう。美容師さんが満面の笑顔で、そのお客さんに挨拶し、手を振っている姿を見て、少し寂しくなりました。常連客と同じような対応を求めているわけではありませんが、私には笑顔はなかったのにな、と思ってしまいました。
私はカラーとカットのみのオーダーであり、トリートメントはオーダーしませんでした。客単価が安いとやはりそれなりの対応になるのかなどいろいろと考えてしまいました。また、初対面の人に「よいものを食べていない」と言われたことの恥ずかしさも少なからず残っています。そして、仕上がりですが、可もなく、不可もなくでした。
今後、美容室を選ぶ際は、立地やブランドだけでなく、口コミ等も参考にして決めようと思いました。
【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。社会の変化の中で、女性が直面する課題や選択肢に光を当て、より自由で豊かな生き方を模索する記事を執筆。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。