仲良しのB子さんに“お下がり”をあげた日
A子は、子供同士が同じ幼稚園に通うB子さんと親しくなり、よく一緒に遊ぶようになっていました。
ある日、サイズアウトした子供服がたくさん出た事をきっかけに、「よかったら使ってね」と声をかけて、B子さんにお下がりを渡したそうです。
B子さんも「ありがとう、助かる!」と笑顔で受け取ってくれたため、A子さんはとても嬉しく、「また何かあれば譲ろう」と思っていたと言います。
感じた“気まずい空気”の理由とは?
ところが数日後、別のママ友C子さんとの会話中、思わぬひと言を耳にします。
B子さんが、「またお下がりもらっちゃった。ありがたいけど、ちょっと複雑なんだよね」って言ってたよと。
その言葉にA子さんはショックを受け、「本当は迷惑だったのかも……」とモヤモヤが残るように。
その日を境に、B子さんともどこかよそよそしい空気になってしまいました。
思い切って気持ちを伝えてみたら……
このまま距離ができてしまうのは嫌だと思ったA子さんは、勇気を出してB子さんに声をかけました。
「もしかして、お下がりって迷惑だったかな? もし気を遣わせてたらごめんね。いらないときは遠慮なく言ってくれて大丈夫だから」するとB子さんは少し驚いた顔をしながら、素直に気持ちを話してくれました。「迷惑なんて全然ないよ。でも、もらってばかりだと申し訳なくて……。うまく甘えられなかったんだと思う」と。お互いの思いやりが、言葉にできなかったすれ違いを生んでいた事が分かりました。
“与える側”も“受け取る側”も対等でいたい
その日を境に、A子さんは「もし必要だったらもらってくれる?」と一言添えるようにし、B子さんも「今回は大丈夫」と気軽に伝えられるようになりました。物のやりとり一つとっても、そこに込められた気持ちを丁寧に扱う事が大切なのだと気づかされたと言います。関係を守るために必要なのは、ちょっとした気遣いと、勇気あるひと言なのかもしれません。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。