「お弁当忘れた! 」通勤中にかかってきた、半泣きの娘からの電話。
急いで引き返し、雨の中びしょ濡れで学校へと向かいます。
「今日は最悪の日だわ」そう思っていたのに――?

「ママ、お弁当忘れちゃった、、、!」

ある朝のことです。
中学生の娘を送り出し、いつものようにドタバタで家を出て、職場へ向かいました。

「ふぅ~、今日もギリギリ間に合いそうだわ」
通勤ラッシュで混雑するホームで電車を待っていると、ポケットの中でスマホが震えました。
見ると、娘からの着信。

何かあったのかしら、と出てみると、受話口から半泣きの声が聞こえてくるではありませんか。
「ママ、お弁当、忘れちゃった! どうしよう……」
「あちゃー!」

最悪な日

朝の慌ただしさの中で、せっかく用意したお弁当をカウンターテーブルに置いたまま、娘に持たせるのを忘れていたのです。

不幸中の幸い、今日は業務が立て込んでいないので、なんとかなりそう。
私は会社に遅刻の連絡を入れ、そのまま家に引き返すことにしました。

しかし、今日はあいにくの強い雨。
傘はあったものの、服の裾はすでにびしょ濡れです。
こんなお天気の中、行ったり来たりして、私は何をやっているのだろう……。
「今日は最悪な日だわ」と落ち込みながらも、娘のために急ぎ足で学校へ向かいました。