筆者の友人・T子は、とても厳しい家庭で育ちました。今なら「虐待か?」と勘違いされるほどの厳しさだったそうです。そんなT子はこんな親にはならないと心に決めていたのですが……。
厳し過ぎた親
私はとても厳しい家庭で育ちました。
それは今の時代なら虐待ともとれるほどの厳しさ。
門限を守らなければどんなに寒い冬の日でも家の中に入れてもらえなかったり、少しお箸の持ち方がおかしいだけで木の定規で叩かれたり……。
特に厳しかったのは母でした。
常に不機嫌な顔をして、私たちを怒鳴りつける母には恐怖を感じたこともあります。
暴力もいとわない厳しさに、「私は絶対こんな親にはならない!」と心に決めていたのです。
夫の一言
私は20代の前半で結婚し、2人の娘を授かりました。
優しく穏やかな夫と可愛い娘たち。
4人で幸せに暮らしていたのですが、ある時夫から背筋が寒くなるようなことを言われたのです。
「T子(私)、少し子どもたちに厳しすぎるんじゃないか?」
私は自分では全く気付いていませんでした。
確かに少し冷静になって考えてみると、母と同じような口のきき方や態度をしているかもしれないと思ったのです。
自分でも気付かないうちに母のようになっていたのかと思うと、心底ゾッとしました。