最初はうれしかった「一緒に遊んでいい?」の一言
3歳の娘と、よく近所の公園に行きます。
ある日、小学生の女の子が近づいてきて「私も一緒に遊んでいい?」と声をかけてきました。
娘もうれしそうだったので「いいよ」と返事し、その子と娘、私の3人で遊び始めました。その日は楽しく過ごして終わりました。
毎回現れる“あの子”に感じた、ちょっとした違和感
数日後、同じ公園に行くと、またあの女の子がいたのです。
そして当然のように「遊んでいい?」とニコニコ。一緒に遊び始めました。
しかしそれが、だんだん頻度を増していきました。
ほぼ毎回のようにその子が現れ、同じように「遊んでいい?」と参加してきます。
聞けば、家は公園の目の前。親は仕事でお留守番らしく、家から公園の様子を見て、誰かいたら遊ぶのが日課とのこと。
私を頼っている様子もあり、私はなんとなく責任感のようなものすら感じ始めました。
ふと湧いてきたモヤモヤ
最初は私も楽しく過ごしていたのですが、ある日ふと「子どもと2人で遊びに来たのに」と思いました。
娘との時間をゆっくり過ごしたいのに、“毎回付き添い+見知らぬ子の相手”になっていることにモヤモヤしていたのです。
3歳の娘と小学生では、遊ぶ内容も違います。娘はじっと砂いじりをしていますが、小学生の女の子はブランコに乗っては「こっち見てー!」、滑り台を滑っては「こっちこっち!」と呼んできます。
娘の様子を見たいのに、ペースはその女の子。私は疲れてしまいました。
それから私は、近所の公園には行かなくなってしまいました。
親ではないけれど、親のように見られてしまう葛藤
悪いことをしたわけではないけれど、どこか心がざわつく出来事でした。
きっとその子もさみしかったのかもしれません。でも、私にとっては娘との大切な時間。
誰かの親代わりではなく、まずは自分の子どもとしっかり向き合いたい。そう、改めて感じた公園での出来事でした。
【体験者:20代・主婦、回答時期:2025年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。